身の中心で起こる低劣な変化を正视する事を余仪なくされる。
薄々は、どこかで感じていた。
男として最も性的快感や兴奋を如実に反応として表す『その部分』が、今现在の自分自身の内面を臆面もなく映し出している事も、そして、これから我が身に降りかかるであろう残酷なまでに甘く狂おしい辛苦を前に、その场所が今にも悦びの蜜を滴らせてしまいそうになっている事も。
だが。
「く……う……ッ!」
魔族のニヤつく无言の笑みを见に受けながら、最も変化をきたしてはならない部分に、更なる热が集まっていくのを感じながら、ディルトは歯噛みした。
こんな……事が……!
尻の穴を强引に开かれ、会阴や肛门を嬲られて。
それだけなら、まだ言い訳ができた。
唇から漏れ出る湿った吐息も、天井から吊るされたままで跳ねる身体も。
それは、无理矢理な刺激によって起こる、肉体の健常な反射行动であると。
しかし、これは。
股间の中心にある、生殖器――それを、ここまで硬く、高々と硬直させてしまっては――。
「ッ……!」
ぎり、と奥歯を噛んだ瞬间に、下の中で蠢く触手に敏感な门渡り部分を抚で上げられて、ディルトが背中を跳ね上げると、彼の股间の中心では、白い布地に包まれた肉棒が、身体の动きに合わせるように、ビクン!と上下にしゃくり上がった。
「くくく……!なんだよ、敌の魔族に捕まって、こんな地下牢に幽闭されてこれからどうなるか――って时に、アソコをビンビンに勃起させるとは……!さすがは自分から魔界に乗り込んできた豪胆勇者サマって所かァ?ハハハハッ!」
「く……!」
「おいおい、そんなにコワい顔する事ァねェじゃねえか。大体、よくよく考えてみろよ。俺たちは言ってみりゃあお前の救世主みてェなモンなんだぜェ?本来だったらこんな暗くて狭い场所で『これから自分は一体どうなっちまうのか』って不安と恐怖に押しつぶされそうになってるところを、俺たちがその『テールちゃん』を运んで来てやったおかげで、お前はそういう余计な事も考えずに『楽しく』过ごしていられるワケだ?くくく!なァ?ちったァ感谢してほしいもんだぜ?俺たちがこうやって甲斐甲斐しく世话をしてやってっから……お前は不安どころか、最高の快感を感じて、これから司祭様の所へ行くまでの长い时间を过ごせるんだからよ!」
「き…きさま……ッ!!}
目の前で不逊に嗤う魔族たちに、犬歯を剥いて荒い言叶を投げようとした、その矢先。
「ッ!!」
开かれた肛门の内部では最前の前立腺を打つ痛打が続けざまに缲り返されて、そのあまりに暴力的で、同时に否応なしな快感によって、ディルトは吐き出そうとしていた声を饮みつつ、またしても身体と肉棒を震わせる。
「くくくッ!どうしたよ!なんか言いてェ事があったんじゃねェのかァ?」
「く…ッ!き、きさ…まら……!」
尻の奥が痹れるような、圧倒的な肉体的悦楽に煮え立った脳まで支配されながら、それでもディルトはなけなしの夸りを掲げて牙を剥く。
何があっても、どうあっても。
自分は勇者であり、人间なのだ。
目の前で嗤う、憎き魔族たちに、决して膝を折ってはならない……!!
决意して、己を奋い立たせるようにディルトは牢の床を踏みしめる両足に力を込めるが、快楽によって延々とわななかされた太ももは、もはや満足に言う事をきく気配がない。
「く……ッ」
硬直し、弛缓し、また硬直しながら震えあがって……そうして、几度も几度も、无理矢理な性感を受け止めるたびに紧张と弛缓を缲り返す事を强要された両足は、つま先まで、痹れ、震えて、麻痹している。
それでも、ディルトは时折痉挛さえ起こす両足を悬命に踏ん张って、格子の向こうを睨みつけた。
确かに、自分はもう、引き返す事はできないのかもしれない。
宿敌とも言える魔族たちの前で囚われた挙句、得体の知れぬ触手によって性感を感じ、あろう事か、股间の肉棒までもを硬く热く、硬直させて。
无様で、滑稽で、情けない事极まりない。
だが。
それでも。
「………ッ」
ディルトの体内の奥深くでは、勇者として……いや、今や一人の夸り高き男としてのプライドが、微かに、しかし强く燃え続けているのである。
「……卑怯者…