通过する。
そうして、长く、永く。
永远にも思える程に感じていた时间が、たったの……たったの一时间。
「ッ……!」
魔族が嗤う间にも、ゆっくりと蠢き続ける触手たちに、甘美な背徳快楽を诱発されて、ディルトは絶望にも似た感情を胸の内に持ち上げると、鋭く尖らせた视线の影に、苦しげな色を浮かべて唇を噛んだ。
そんな……これだけの、これだけの时间が、たったの、一时间だなんて……。
悬命に歯列を食いしばり、両手の拳を固め続けたこの时间が、ほんの仅かな……瞬きにも似た一瞬だなんて……。
「う、くう……ッ」
今しがたまで缲り返された、背筋が冻るほどの快楽を霞んだ脳里によぎらせながら、ディルトは火照りだす己の身体を制御しようと无言のままで唾液を饮んだ。
「へへへ、どうしたよ。勇者サマ。ずいぶんお顔の色が优れねえみてェだぜェ?」
「ッ……!」
牢の内部を覗き込むように、身体を屈めた魔族の男と真正面から目が合って、ディルトは汗にまみれた掌を强く强く握りこむ。
この、男たちは……。
この、魔族たちは……。
「うん?どうしたよ、なァ。勇者サマよォ」
「……ッ」
分かっている。
くつくつと喉の奥で嗤う魔族たちから视线を外す事もできないで、ディルトは再び乾いた口内でねっとりと喉に络む唾液を音を立てながら咽下した。
そう、分かっているのだ。
この男たちは。
どうすれば、目の前の人间を、最も果的に堕落させる事ができるのか、を。
どうすれば、必死に抗い続ける人间が、无様に命乞いをしながらもがき苦しんで、堕ちていくか、を。
この男たちは、分かっているのだ――。
「ッ…!」
希望の光を宿した瞳が、滑落と絶望によって暗い色に淀み、浊る瞬间を嘲弄しながら见届ける、それこそが、彼ら魔族にとって、他の何物にも代えがたい至高のひと时なのだ、とディルトが理解した瞬间に、肛门の奥では触手の先が柔らかな前立腺をすり上げる。
「う、あッ!」
「おお?なんだァ?どうしたよ勇者サマ!急に色っぽい声出して仰け反ったりしてよォ!」
「ッ!」
ニヤつきながらディルトを见つめる魔族の瞳は、酒场に向かう前よりもずっと鋭利に细められ、卑劣な笑みを浮かべる口元には、最前までよりずっと色浓い嗜虐心が张り付いている。
好奇と愚弄を织り交ぜた下卑た视线で身体の隅々まで値踏みするかのように见定められて、ディルトは屈辱的な羞耻心と同时に、言い表しようのない不道徳な色欲が身体の内侧で持ちあがりつつある事を自覚する。
み、见られて……いる――。
钢鉄の锁によって狭い牢内という空间に畜生の繋がれながら、身体を、雄としての肉体を饱く事なく责め上げられ、踏みにじられ、そして、その蹂躙によって明らかな反応を示しているこの身体を……。
见られて、いる――ッ――。
「ッ……!」
认めたくはない己の无様な丑态に、ディルトが満面を红潮させながら唇を噛んで、魔族と合わせていた视线を反射的に床面に向けて投げ伏せた、その瞬间に。
「おお?なんだァ?勇者サマ!お前随分热っぽい声出して身体ビクつかせてると思ったら……くくくくッ!すっかりアソコおっ勃てて、ビンビン発情体势ってか!」
「!!!!」
魔族のあからさまな侮蔑の声が、硬直するディルトの肢体目がけて、势い鋭く投げつけられたのだ。
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「ッ!!」
魔族の歪められた口からほとばしり出た愚弄の声を鼓膜に受けた瞬间に、ディルトは身体中を流れるあらゆる时间が静止した错覚に捕らわれながら、床を见つめていた双眼を力一杯に割り开いた。
信じられなかった。
信じたくはなかった。
确かにこれまで、散々に男としての肉体を责め上げるように蹂躙された。
性的欲求を増幅させるかのように、际どく狭い会阴を抚でられ、雄特有の前立腺を叩かれて。
実际、几度も男としての自身の肉体は、感极まるように打ち震えもしたし、喜んだ。
だが。
よもや。
そんな场所までもが……。
「ッ……!」
魔族の声が投げつけられた瞬间に、ディルトは自らの下半