必要に迫られた时だけ。
だからこそ、彼は、今まで一度も自らの身体から発される雄としての欲求に饮みこまれた事がなかったのだ。
あくまで理性的に、道义心を持って。
欲望など、二の次でいい。
そんな事より、なさねばならぬ事がある――!
劣情に惑わされず、色欲に支配されず。
そうして、ディルトは生きてきた。
华美で绚烂な性宴にも、豊満で淫らな肉欲にも目もくれず、彼は己を锻え、律してきたのだ。
だからこそ――。
「ッ!!う…ッ…ああ――!!」
今こうして、强引に与えられる圧倒的な快楽は、彼の视界を一瞬ごとに昙らせていくのだ。
脳天がしびれる程の悦びは、彼の思考回路を追い诘め、全身を硬直させねばいなせない程の快感は、秩序だった硬质な理性を麻痹させていく――。
「く……そ…ッ!!」
生まれて初めて、自分自身以外から与えられる目がくらむほどの性的刺激に、ディルトは歯噛みしながら耐え忍んだ。
こんな事は知らない――。
こんな快感は……知らない――!
「ッう…ふう……ッ!!」
尻の穴からズルズルと抜け出ていく触手の感覚に背筋を震わせ息をつくと、その快感によって脉を打つ会阴の沟を三本目の触手が力任せにすり上げる。
「ん…!んん……!!」
唇を噛んで、声を杀して。
そうしてディルトは、无理矢理に身体に刻み込まれる雄としての悦びに、全身を浸す事を强要された。
逃げ出す事も、无视する事も、まして自分自身で快楽のリズムや程度を制御する事もできないで。
ただ、ひたすらに――。
暴力的に――。
「ッは……!あ……!!」
もう何度目か分からぬ前立腺を叩く刺激に息を漏らすと、自分の首筋が汗でびっしょりと濡れている事に気が付いた。
「く、そ……も、もう……やめ……ろォ……!」
苦しげに眉间を寄せて呟くと、下の内侧の触手たちが揃って身体をうねらせる。
「ッあ――!」
热を持ちながらビクつく会阴を舐めるように丁宁に、执拗にこすり回され、声を弾けさせた瞬间に、肛门内では二本の触手の先端が、期待と悦びに萎缩する前立腺を责め上げる。
「う、あッ!!やッ、めッ…!!」
长时间にわたって、触手から分泌された粘液をすり込まれたせいで、もはや肛门もそこから続く粘膜の通路も、痛みはおろか、圧迫感すら感じない。
だが、それとは対照に、时间が経てば経つほど、そして侵略が进めば进むほど、ディルトの肛门の粘膜壁は性的快楽をより鋭敏に感知する器官へと変貌させられていくのである――。
「あ…!あう……ッ…う…!!」
大きく膨らんだ先端によって、前立腺を叩き上げたその直後、二本の触手は、柔らかな硬度を持つ干をしならせ、今しがた殴打を缲り返した个所を力强くすり上げる。
「う、あッ!?」
肉感的な弾力を持つ膨らみから、その下に繋がる太い干までを器用にしならせ、触手はディルトの惯らされはじめた前立腺を抚で回す。
ずるり、ずるり、ずるり、ずるり……!
「く、うう……う…ッ!!」
今までの进军よりも力强い动作でぬめる先端をすり付けられると、ディルトの尻は无自覚のうちに揺れ动いた。
「や、めェ……!!」
ぬるぬるとぬめる硬い先端が、快楽を享受する事を教えられてしまった前立腺をこね回す。
几度にも及ぶ殴打のせいで、すっかり粘液にまみれぬらぬらと濡れそぼるその场所に、张り出した头部を目一杯に押し付けながら、触手は缲り返し身をひるがえして乱舞する。
ぬるり、ぬるり、ずるり、ずるり……!!
「う、あ…!あ……!!く…そ…ォ……ッ!!」
一本の触手が张り诘めた膨らみごと、先端部分をべったりと前立腺こすり付けながら身をよじると、そこから発生した快感に打ち震える柔らかな壁面を、二本目の触手が间髪入れずに抚で回す。
「や、め……ろォッ!!」
抚で回され、こね上げられ、また叩かれて。
ディルトが一瞬ごとに身体を贯く悦びに声を诘めて身を震わせると、そんな反応を楽しむかのように、触手たちは肛门と会阴で饱きる事なく跃り続けた。
「くッ……ああああ……ッ」