「踏みにじられた国民たちと、死んでいった仲间の仇……!!魔王、覚悟――!!」
覚えているのは、振り上げた刀身が虚しく空を切った感覚だけだった。
INTO THE HELL
魔獣の花嫁~辱の公开生交尾~
01
「…………く……う……う……」
ゆっくりと浮上する意识の中、ディルトは梦を见ていた。
温かな阳射しが降り注ぐ庭园で、旧知の笑顔たちに囲まれて微笑んでいる梦を。
「…………っ……」
无邪気な笑い声を上げて谈笑しているのは、歳の离れた弟のグレイドだ。
その笑顔を眺めつつ、隣で朗らかに返答しているのは、亲代わりになって俺たちを育ててくれた教育系のネックス。
向こうで笑っているのは、骑士団时代に世话になった先代団长のキスキア卿に、彼の亲友であり、优秀な参谋でもあるドレイク军师。
他にも、锻え抜かれた肢体に似合わぬ华奢なティーカップを持ちながら真面目顔で会话に耽るヘリジールに、それを指さしながら笑う骑士団仲间のロビックスや……。
ああ……そうだ。
皆……皆、俺の仲间たちだ。
生を受けたあの城で、共に育ち、笑い、生き、时に退く事はできぬ、と意地を张り合いながらも、最後には同じ目的の为に、手を取り合って剣を取った……爱すべき、そして夸るべき仲间たち――。
「う……う、う……」
咲き夸る笑顔たちの中心で、ディルトはおぼろげに思い出す。
『往こう――!!』
滚る使命感と、沸き立つ闘志、そして、その里侧にある、谁もが口には出さぬ覚悟。
「く…………」
暗黒に涂り込められた低い空の下、俺は……いや、俺たちは静かに颔き、前を向いた。
その手に、しっかりと、剣を握って。
あの瞬间、俺たちは、确かに见据えていたんだ。
自分や、仲间や、大切な人々が、満面の笑みを浮かべ幸せに生きる平穏な未来を。
だからこそ。
『往こうぜ――ディルト……!!』
……ああ、なんだ、姿が见えないと思っていたら、そんな所にいたのか。
随分……随分长い事、会っていなかったような気がした顔が、勇ましく、强く微笑んで、それから俺の名前を呼んで。
そうして……。
そうして…………。
「う…………わあああああああああああああッッッッ!!!!!!!」
和やかな庭园の真ん中で、自分に向かって力强く微笑んだ亲友の顔が、见る间に真っ赤に血涂られていったその瞬间、ディルトは絶叫と共に、弾かれたように横たえていた半身を起き上がらせた。
「はあッッ!!はあッッ!!」
びっしょりと汗に濡れた満身を、ガタガタと大きく震わせると、张り付いた喉の奥から、まるで悲鸣のような甲高く激しい呼吸音が响き渡る。
「ぐ…ッ……う、うう……ッ!!」
顔も、背中も、肩口も、首筋も、胸元も。
身体中あらゆる所が濡れ、震えていた。
収まれと愿えば愿う程、あれは梦なんだと思えば思う程、ディルトの脳里には今しがたの幻の中に浮かんだ亲友の顔が、雾を払うかのように徐々にはっきりと浮かび上がり、やがてその顔は真っ赤に血に染まったままの唇を动かしディルトに向かって告げるのだ。
『どうして――』
「ッ!!」
『どうして――お前は――』
「くッ!!」
瞳の奥に、はっきりと浮かんだ亲友の双眸が、恨めし気に自分を射抜く事に耐えられなくなって、ディルトは汗に冷えた自身の身体を缩こませながら、硬く硬く眉根を寄せて、震える睑を噛み缔めた。
02
目を覚まして、最初に触れたのは暗闇だった。
深く深い、深渊のような暗黒と、肌に触れる硬质な冷たさに、ディルトはひそめた眉根を更に引き寄せ、唇の内侧で小さく呻いた。
そうだ、自分は、あの戦いの後――。
「……く…っ」
呻いた拍子に、自らの肩口と背中に钝く鋭い痛みが走って、その痛みは否が応にもディルトに最前の闘いの记忆を苏らせた。
まがまがしい装饰の施された玉座の前、痛烈な一撃に倒れ伏したその瞬间、ディルトは自らの命运を悟って睑を闭じた。
ここまでか――。
激しい痛みと薄れていく意识の狭间、ディ