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「く…ッ!やめろ…!!やめろおォ……ッ!!」
抚で上げられたと思った矢先、その场所はテールによって割り开かれた。
强引に、无理矢理に、しかし、ひどく、滑らかに。
痛みや、苦痛はない。
あまりにも、スムーズな、侵略。
「く…うう……ッ!!」
矢じり状に尖らせた先端を、紧张に収缩するディルトの秘所へとあてがうと、テールは一瞬、照准を绞るように动きを止めた。
まるで、铳を构えたハンターが、获物に照准を合わせた直後、静かに息を止めるように。
「く……そ……!!」
その後は、思い返すのもおぞましい、身の毛もよだつ瞬间の连続だった。
动きを止めたテールの様子に、ディルトがぎくり、と身を强张らせたその刹那、照准を定めたテールの触手は加减など一切なしに、目指す目的地へ向け、尖らせた先端を突き出した。
「ああああッ!!」
贯かれた瞬间に、ディルトは喉を反らせ、全身を弓なりにしならせながら、短い苦闷の叫びを张り上げた。
遂に……遂に自分は……!
脳里によぎる夕日の中で吼える魔狼と、锁に繋がれながらテールの侵入を许した自分の姿が、重なりながら头の奥に消えていく。
突き入れられた先端を、tun部から伝わる异物感が确认させる。
自身の体温よりもずっと冷たい何かが、今この瞬间、自分の体内に存在している。
「く……ッ!!」
生まれてはじめて感じた体内への侵入という冲撃と、それを分かっていながら、どうする事もできず、遂にその侵攻を许してしまった自らの无力感に板挟みになって苛まれながら、ディルトは睑を伏せて强く奥歯を噛み缔めた。
これで……终わるのか……!
こんな……こんな事で……终わるのか……!!
魔王と刃を交えて、共に讨ち死にをする訳でもなく。
志の果てに、希望を背负って人々の前で微笑みながら逝くのでもなく。
こんな――!!
「ッ……!!」
暗くshiった牢狱の中、谁に看取られる事もなく、低劣な魔物によって体内から命を夺われ、最期には锁に繋がれたままの格好で死んでいく自分を脳里に描いて、ディルトは悔しげに唇を噛んだ。
先刻も告げたが、命を落とす事は怖くない。
後悔もない。
ただ。
ただ、こんな无意味な死は。
谁にも、何にも贡できず、希望の辙にも、未来の础にもならぬこんな死は……!
「く、そ……ォッ…!!」
歯噛みし、悔しさに眉根を寄せると、自分がひどく、不様に思えた。
结局、俺には何ができたのだ。
共に生き、剣を取った、大切な仲间たちを魔王に杀され、その屍の上に辉かしい光明を见出すでもなく、最後には……。
「く……ッ!」
狭く劣悪な环境の牢に捕らえられ、魔王どころか、名も知らぬ魔族たちに嘲弄されながら死んでいく。
「く……す、まん……みん、な……」
思わず、弱気な声が唇から零れ落ちると、それは静かな牢の冷たい壁面に反射して、ひどく虚ろに暗闇の中に吸い込まれていく。
「……ッ…」
このまま、待つ事しかできないのか――。
肢体に施された拘束を解き放つ事もままならず、命を夺う侵入に抗う术も持ち合わせない。
ならばこのまま。
「…………ッ」
このまま自分は、体内からテールに喰われ、生命を失う最期の一瞬までも、待ち続ける事しかできないのか――。
この瞳から、希望の火が消えるその瞬间に、俺は一体、何を思いながら暗黒の渊へ落ちていけばいいというのだ――。
そう思い、苦し気に短い吐息を吐き漏らした时、ディルトの尻の中で、テールの触手がずるり、と不気味に蠢いた。
12
「く……ッ!」
自らの体内でうねるように动いたそれに、ディルトは顔をしかめて呼応した。
「こ…の……!」
己の身体の中で、自らの命以外の生命体が、今、确かに息づいている――。
「く…ッ!」
思った矢先、もう一度、テールが动いた。
今度は、先刻とは违い、跳ねるようにして、ディルトの体内のより深い场所へとり込んでいく。
「や、めろ……!」