、まばゆく、そして甘い闪光が――。
「ッ……!」
明らかに感受してしまったその感覚に、ディルトは冻えた。
恐怖でも、戸惑いでもなく、言うなれば、焦燥に近い、冻结。
そ、そんな……そんな……まさか……。
自分は……自分は……敌阵の本丸とも言える魔族たちの居城、魔界の牢狱に捕らわれて……血が渗む程に口唇を噛み缔め、卑劣な仕打ちに耐えている……それなのに――。
「ち、违う……ッ!!」
咄嗟に唇から吐き出した言叶の语尾が、仅かに震えている事に気付かぬままで、ディルトは今一度、强く头を左右に振った。
こんな事は、间违っている。
こんな事で、自分が、そんな感覚を覚えるはずがないではないか。
なぜなら。
なぜなら自分は……俺は……勇者……なのだ……!
勇者……なのだから――!
信じられぬ自覚感覚に冻り付いてしまった头の中心を热くしながら、必死になって自分自身に言い闻かせると、ディルトは後ろ手に缚り上げられたままの拳に力を込める。
そうだ……俺は……俺は、勇者なのだ……!
どんな事になっても、何があっても……魔王に……いや、魔族たちなどに、屈したりはするはずがない――!!
「ッ……!」
いつの间にかじっとりと汗にまみれた掌を握りしめると、痹れ始めた指先に、轧む木枷の振动が伝わった。
15
自分は勇者なのだ。
こんな卑劣な手段や、非道で悪辣な暴虐には、何があっても屈するものか――!!
思って唇を噛み缔めて、ディルトは决然と前を向いた――が。
「ッう?!」
囚われた狭い牢狱の中、目の前に镇座する钝く光る鉄格子を真っ直ぐに睨み据え、ディルトが今一度己の决意を胸中で硬くした、その矢先。
ずるううッ!!
「ッああ!!」
尻の中へと完全な侵入を果たした二本目のテールの触手は、まるでその侵略を夸示するように、ディルトの体内で力强くぬめる身体を波打たせたのだ。
「く…!や、やめろ……ッ!!」
テールの侵略する自らの臀部を视线でねめつけ、强く吼えるようにディルトが言うと、肛门の中ではもう一方の触手が、仲间の到来を歓待するかのごとく身をうねらせる。
「っ、あ!!」
ぐるり…!と肛门の内部で回転するようにうねった触手に、ディルトが顔面を苍白にしながら声を漏らすと、筋肉の浮いた首筋ではゆっくりと汗の滴が滴っていく。
「や、やめ、ろッ!!きさ、まァッ!!」
鼻先に深い皱を寄せ、鋭く切れた双眸を怒らせながらディルトが吼えると、牢の中には激しい金属音が响き渡る。
「く、そ……ッ!や、やめ……ッ!く…ッ!?やめろッ!!こんな……!こんな事をしても……!俺は絶対に……!」
体内で蠢く触手たちに、もはや一刻の犹予も与えてはならない……!!
自覚したディルトが、决死の抵抗とばかりに、激しく身を捩じりつつ声を奋わせ、勇者たる自分自身を全霊で鼓舞した……瞬间だった。
「くうッ?!」
全身を走った冲动に、ディルトは思わず息を饮んで暗い天井を振り仰いだ。
な、なにが……ッ!!
突然に降りかかった现実と、それに呼応するように瞬时に跳ねた自身の身体に、ディルトが愕然と目を见开いて打ち震えると、肛门の内侧では再度テールが身をうねらせる。
「ッう!!」
今まで以上に强く、鋭く、テールの触手が狭い洞穴の中で身をくねらせると、その弾力のある筋肉质な体侧が、ディルトの肛门内をこするように前进し……そして――。
「ッあ!!」
决定的な一瞬に、ディルトの肉体は理性の介入を许さぬ速度で、力任せに跳ね上がった。
そん、な……!!
反射的に跳ね上がった己の身体に、ディルトが表情を引きつらせながら硬直すると、その间にも尻の中では濡れる触手は进军していく。
「や、やめ……ッ!」
ずるり、と音を立てながら、自らの体内を这いずっていくテールの触手に、ディルトが声を上ずらせた、その直後。
「ひ、いい…ッ?!」
しなやかに动く筋肉のごとき触手の先が、肛门の中に存在する、ディルトの男として、最も无防备で、それでいて、最も敏感な个所に触れたのだ――。