トはそれでも决して屈さずただひたすらに身をよじっては燃える怒号を张り上げた。
だが、ディルトが强い语気と共に、テールを引きはがそうとする时间は、すぐに终わりを迎える事になる。
何故ならば。
「ッ!!」
ディルトが叫び、身体をねじって足掻くその间に。
「く…や、やめろ……!!」
ゆっくりと遡上を続けたテールの触手の先端は、遂に拘束され、逃げ场を失ったディルトの、汗の浮いた臀部の真下へと到达したのだ――。
09
「く、くそ……ッ!!」
ねっとりとした粘液に濡れる触手の感触を露わな生肌に受け止めて、そこでようやく、今、自らの肢体が下以外の衣服を一切まとっていない事に、ディルトは初めて気が付いた。
「く…あいつ……ら…!!」
歯噛みしながら、目の中に映る先刻自らを手酷く热かった忌むべき魔族たちの邪顔を睨みつけても、もはや事态が好転する事などありえなかった。
ずるり。
「ッ…!!」
今度は床の上からではなく、他でもない、自らの肌の上から闻こえた音色に、ディルトは反射的に眉根を寄せると全身の筋肉を硬くきつく硬直させる。
ずるり。
「く…ッ!!」
正に、ナメクジが湿った道の上を进むように、テールはひどくゆっくりとした挙动でディルトの身体を这い上がっていく。
ねっとりと、丁宁に舐め上げるように、テールの触手は粘液にまみれたその腹でディルトの肌の上の感覚を确かめると、ずるり、と重たい身体を蠢かせ続ける。
「く、そ……!」
触手の先の濡れた感触が、臀部の下から这い上り、太ももの里を伝うと、不规则に动く蛸の手足のような触手が、薄い下の际をまさぐりだす。
じりじり、じりじりとひどくスローペースでなされるその进军の间にも、ディルトは何度も头を振って、何度も口中から切迫した低い声を吐き出した。
くそ……!やめろ……!このままでは……!!
きつく细めた睑の里に、あの日见たテールに捕食される魔狼の姿を再现しながら喉を反らすと、背中に浮いた冷たい汗が、つうと一筋、ディルトの肌を滴り落ちる。
「ッ…!」
自らの身体が吐き出した汗に、粟立つ肌を抚で下ろされて、ディルトがびくり、と四肢を强张らせた、瞬间だった。
「ッ!!」
ずるり……!!
今までと同じ、重たい肉を引きずるような音色が鼓膜を侵して、濡れた触手がべたり、と露わな肌をすり上げた、その途端。
ディルトは、息を饮みながら、见开いたまなじりを吊り上げていた。
こいつ、下の……中に……!!
短い声が、头の中心に浮かんだとほぼ同时、ディルトの身体を这い上がっていた触手の先阵は、ゆっくりとその进军を停止して、その直後、何かを探るようにして、接地した肌の上をぬるぬると这い回りだしたのだ。
そして。
ずるう……!!
「ッ…!!」
濡れた触手は、その钝重で丑い见た目とは里腹な致密な器用さと滑らかな俊敏さを駆使すると、渗み出した粘液にぬるつく先端を、臀部に张り付いた下の内侧へ、力任せに差し入れたのだ。
「く…!!」
一瞬のうちになされた决定的なテールの动きに、ディルトは眉根を寄せて犬歯を剥いた。
この……魔物め……!
食いしばった奥歯をそのまま、自らの肢体に络みついた丑悪な魔物を睨み下ろすと、それは确かに意思など持たぬ、ただ濡れて光る不気味な触手の块のように见える。
だが、その満足な知性も、意思も持たぬであろう异形の怪物は、今、确かに。
「く…や、めろ……!」
ディルトの下半身……それもただ一个所を目指して、再びの静かな进军を再开したのだ。
ずるり。
ずるり。
徐々に规则的になりつつある湿った音が牢狱の中に响くたび、ディルトの足元からは太い触手たちがこぞって下腹部を目指し这い上がり、それと同时に、臀部へと到达を果たした先锋队は、下の内侧をゆっくりゆっくり这い进む。
「く、そォ……!!」
じわじわと、まるで真绵で首を绞められるかのような悪辣な感触を下半身のあらゆる个所に受けながら、ディルトは背筋を这い上ってくる不快感と戦った。
得体の知れぬ粘液でじっとりと湿った肉が、