…肉体はただの、一人の人间なのだ。
造られた英雄でもなければ、痛覚を持たぬ强化兵士でもない。
その身体には确かに五感が备わっていて、その心には、他の人々と同じように、确かな人间として、そして男としての精神が息づいている――。
「ッ……う…ぐ……ッ!」
下半身の际どい个所をまさぐりながら这い进む触手の动きに、伏せた顔をじわりと热く红潮させて、ディルトは谁にも闻こえぬようにか细い息を吐き出した。
「く……そ……ッ…!」
否定したい。
拒絶したい。
けれど自らの理性や道义心の届かぬ场所で、身体は刻一刻と魔手によって炙られていく。
人肌か、それより仅かに温度の高い肉肌が、敏感な感知器官を持つ股间の际に络みつくと、触手の先端は、まるでその中侧にある『物』を确かめるようにして、袋の侧面を抚で回す。
「くう……ッ!!」
流されてはいけない、揺らいではいけない、そう思いつつ、访れるであろう刺激を歯列を噛み缔めながら待ち构えても、触手から与えられる鋭利な冲撃は、ディルトのそんな考えをいとも简単に飞び越えていく。
「く、あ……ッ!!や、やめ……ろ…ッ!!」
思わず高い声を吐きながら头を振ると、股间の触手はそんなディルトを嘲るように再び干の先端をうねらせる。
ねばねばとぬるつく先端の膨らみを巧みに操り、今しがた抚で上げたのとは反対侧の袋の侧面を、何度も何度も、下から上へ、そして上から下へとこすり回すと、次にはその弾力のある膨らみが、快楽に震える会阴部分へり込む。
「ッあ――!!」
先刻散々に嬲られ、弄ばれ……そして、确かな开発を受けたその个所を、何の前触れもなく力强くすり上げられて、ディルトは反射的に仰け反りながら目を见开いた。
「ッ――!!」
声も出せぬ程の冲撃――それは彼の下半身の中心で沸き起こった瞬间に、热く冻てつく背骨を奔り、煮えながら硬直する脳天までもを突き抜ける。
「く――――ああああッッ――!!!!」
り込んだ触手の先が、ずるり!と左右に头を振って濡れる会阴の天井を力强く打ち叩いた瞬间に、ディルトはようやく、硬直していた肉体の反射を解させると、押し杀し、饮み込んでいた甲高い悲鸣を、狭い牢中にけたたましく反射させながらむせび鸣いた。
そんな……!
そんな……ッ!!
自分でも、信じられない声と身体の反応に、ディルトは思考回路が追い付かなかった。
一体、自分の身に何が起こってしまったのか。
一体、自分は今、何を踏み越えてしまったのか――。
だが、そんな事を彼が认识しようと我が身を振り返るよりもずっと早く。
ずるり……!!
「ッ――――!!!!」
り込んだ狭く湿った洞窟の途中で、生温かい触手の先が不穏な挙动を开始したのだ――。
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「な…ッ!!や、やめろッ――!!」
切羽诘まった声を発して、突発的に自身の股间を见下ろしたディルトが、喉を反らせて仰け反ったのは、それから瞬间後の事だった。
「くう――ッッ!!」
すり上げられた、と思った矢先、ディルトの下半身では触手の蠢く低く重い音色が响き渡り――そして。
「ッ……!!ああああ――ッ!!」
力强く、そして的确に、ぬめぬめと湿り気を帯びた会阴の天井の柔らかな场所を、张り诘め、硬くなった触手の膨らみで叩き上げられたその瞬间、ディルトは双眸と共に濡れた口唇を大きく上下に割り开きながら、声量の抑制も忘れたままで、ただ高い悲鸣を张り上げた。
「や、やめェ…ッ!!そ、そこ、は……ッ!!ッ!!く、ううううッッ!!!!」
鋭利に、そして甲高く尖らせた声が冷えた岩肌に反响すると、それと同时に下の中の湿った肌が、ずるり…!となまめかしげにすり上げられる。
この场所に捕らわれる前には、一度たりとも败北や谛めを宿したことのない瞳の中に、ほんの仅かな戸惑いと、同时にそれよりも遥かに大きな歓喜を内包させると、ディルトは唇の端を歪めながら苦闷した。
「う…ああああ……ッ!!」
强く勇ましかった双眼が、ひそめた眉毛の下で溃れるように细められると、额から伝った小さな汗が、深く皱の刻まれた鼻先目がけて滴り落ちる。
そうして、己の苦闷と戸惑いに歪んだ顔の中