ねらせる。
「くッ…!うう…ッ!!」
咄嗟に顔をしかめて目を瞑っても、刺激から逃れる事はできなかった。
それどころか、ディルトが双眼を闭じ、强く唇を引き结ぶと、遮断された视覚の代わりに、残された五感が色鲜やかに働き始める。
「ッ…!」
股ぐらで触手ののたうつ粘质な色音に、引き结んだ唇の中に溢れる苦くも甘いどろどろとした唾液の後味、そして、今しがたまで気が付けなかった、この暗い牢の中にこもった、己の体から発されているであろう、ねっとりとした男特有の生々しい臭気。
「く……ッ!」
鼻を突いた生臭いようなその臭いに反射的に顔をしかめて息を饮むと、それと同时に下の中で股间の触手がずるり、と肉茎をのたうたせた。
「く、そ……ォ…ッ…!」
突然の、そして、どこか无意识の奥底で予期していた、来るべき瞬间が访れようとしている事に、ディルトは硬直しながら粘性の浓い唾液を咽下する。
遂に……遂に触手は……。
「ッ……!」
会阴部を超え、男の最も大切な个所とも言える『前』の部分へと辿りいた。
そうなれば――この後は……。
「く…う……ッ」
深く考えずとも、明白に答えの导き出される问を脳内に浮かべたその直後、ディルトは忌々しげに下唇を噛み缔めて、そしてじっとりと火照った细い吐息を肺の中から吐き出した。
尻の穴、会阴部、そして……今度は……。
ここまで贬められてもなお、与えられる刺激に抗う事さえできぬ自分自身に心底の屈辱感を煽られて、ディルトが口惜しげに奥歯を鸣らせた、その刹那。
ずるうう…ッ!!
「ッう、あ!!」
股间の前袋に滑り込み、仅かな休息を取っていた触手が、やおら力强く、ディルトの双玉の间で身を跃らせだしたのだ――。
23
「ッあ!や、やめ…ろッ…!!」
性急に蠢き始めた第三の触手に、ディルトは焦り、声を荒げたが、その凄惨たる声に返事をするのは、无情で非道な现実だった。
「く…ッ!!う…ううッ!!」
今しがたまでのゆったりとした动きは、一体どこへ行ったのか、ひとたび大きく身をうねらせた触手は、もはや一瞬たりとも跃る肉茎をとどめようとはしなかった。
「く、あ…ッ!や、やめ…ろッ!!そ、そこ……は……!!く…ッ!くあ、ああ……ッ!!」
ずるり!と重く粘质な音色が鼓膜に响いたその直後、ディルトの全身には稲妻に撃たれたような鲜烈な刺激……いや、明らかな快楽が走り抜け、そのすぐ後にはそれを追うように、再び触手の肉肌が歓喜に震える二つの球に肉薄する。
「や…ッ…めェ……!ッ!!く……ああああッッ!!」
今までに与えられたどの刺激よりも、鲜烈で、直接的で、そして分かりやすい快楽だった。
性器そのものとも言える程、刺激に敏感な男の……その爱しくも大切な玉を、二つまとめて、力强く抚で回されて、ディルトの脳天は一瞬のうちに音を立てて沸腾しそうな错覚に捕らわれていった。
「う……ッ…ああああ……ッ!!」
受け止めてはいけない……!
感じてはいけない……!
目を背けろ!
与えられる刺激を否定しろ!
胸中に用意していた自分自身へ対しての言叶の全てが、打ち寄せる圧倒的な刺激を前に、まるで薄纸同前に吹き飞んでいく。
言叶など、何の意味ももたなかった。
高洁な精神など、与えられるひどく原始的で、根源的な感覚の前には、付け入る隙さえ见い出せなかった。
今、この瞬间、この肉体には。
たったひとつ。
たったひとつの感覚しか――存在しては、いないのだ。
「ッ――――!!く……ッああああ……!!」
喉をしならせ、背中を反らせて、ディルトは牢どころか、その先の暗闇全てに响き渡るほどの声量で叹き、戦栗き、吼え上げた。
こんな……!
こんな――!!
けれど、いくらディルトが否定しようと努力しても、いくら目を背けようと跃起になっても、肉体は一瞬ごとに伝达されるひどく単纯で同时に强大な威力を持った蠢动に、饮み込まれ、打ちのめされ、そして翻弄されていく。
「く……ッそォォ……ッ!!」
苦し纷れに力任せに吐き舍てて、股间から脳天までを一直