息を、声を、饮み込んで、そして、ただひたすらに、目の前の白刃を见つめたまま下半身へと注ぎ込まれる色欲に、溺れ、酔いしれる事だけだ――。
「く…ッ…あ……!」
太くうねる干の先端から伸びた鞭毛たちに、底辺に続き袋の侧面までを抚で上げられて、ディルトは歯噛みしながら甘く高い悲鸣を漏らす。
そして、そうして狂おしいまでに甘美な苦痛に身を震わせるディルトの前で、魔族の手にした长枪は、ゆっくりと『目的地』へ向かい动き出すのだ――。
「へへへ……!その小せェ布地の下が、一体どういう事になっちまってるのか……今から楽しみでしょうがねェぜェ……!!」
まるで舌なめずりでもしているような声色で告げながら、魔族は筋肉の浮き立った刚腕を、ゆっくりと格子の中へと差し入れる。
「…!!」
自身へ……いや、明らかな挙动で自身の下半身へ向かって伸びてくる白い切っ先を见つめながら、ディルトは奥歯を鸣らしたが、もはやどうする事もできはしない。
後はただ、待つだけなのだ――。
「くくく……!ほォら…到だぜェ…?」
卑劣な声で嗤う魔族が、ことさらに瞳を细める前で、长枪の先端はとうとうディルトの下半身へと到达する。
「く……!」
光る鋭い切っ先を、自らの腰骨の侧面に突きつけられたとほぼ同时、ディルトの股间では鞭毛たちがやおら细かな食指を伸ばし、ゆっくりと袋の下部を络め取るように包みだす。
「ッ――!!!!」
一瞬ごとに视界の中央で真っ白な闪光が炸裂するような快楽を、柔らかな袋と会阴に与えられながら、ディルトはねっとりと粘性を含んだ唾液を音を立てつつ咽下した。
こんな――事――!
震える両手を强く握って、ディルトが今まさに访れようとする、屈辱の瞬间に身构えようとした、刹那だった。
「おおーーら、それじゃあいよいよご开帐だァ!!」
「!!!!」
视界に映さずともありありと分かるほどに、満面の邪笑を含んだ声で魔族が告げたその直後、ディルトの局部を覆っていた白く狭い薄布は、鋭い切っ先によっていともたやすく分断された。
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あまりにあっけなく、音もなく。
魔族の握る长枪の先端ですくい上げられた瞬间に。
ディルトの下半身の狭い部分を覆っていた薄布は、何の余韵も残さぬままひどく简素にその役目を终えたのだ。
「く……!」
「ハハハハッ!ほォら!大事なパンツがなくなって耻ずかしい所が丸见えだァ!!おお?!なんだァ?圣人君子ヅラしてるワリにゃあ、随分立派なモン持ってるじゃねえかよ!ええ、勇者サマ!」
「ッ……!!」
屈辱だった。
今までも、散々に羞耻や辱を煽る责め苦を受けてはいたが、それ以上に。
勇者として、そして种族は违えど、同じ雄という知的生物として。
自らの露出した性器を、隠す事もできず、こうして直接的に露见されるなど……!
「く…そ……!」
己の下腹部から薄い布地がはらりと落ちて、濡れる股间が湿った外気に晒された途端、ディルトは言い知れぬ羞耻と屈辱感に、身体の内侧から燃やされていくようだった。
「ホラホラ勇者サマ!しっかり身体よじらねえと、大事なアソコが俺たちにぜーんぶ见えちまうぜェ?くくくくくッ!」
「ッ…!」
ディルトの下半身から薄い下が失われたその瞬间に、魔族たちは筋肉に覆われた肢体を丸めて、鉄格子の中を覗き込む。
これみよがしに、上半身を突き出して、鉄格子が鼻先に接触する程の至近距离から、魔族たちは羞耻に顔を染めるディルトの様子をさも愉快そうに眺め下した。
「く……う……!」
もはや、见るな!と叫ぶ事もままならない。
そんな事をすれば、眼前の魔族たちは更なる嗜虐心を煽られて、今以上の卑劣な暴虐に诉え出るはずだ。
ならばいっそ――。
「……ッ」
考え至って、ディルトは身の内から溢れそうになる羞耻心を気高い理性で律すると、下半身を隠す事もなく、天井から吊るされた身体をそのままに洁く両目を闭じて歯列を噛んだ。
好きに、すればいい――!
先ほど、この魔族たちは自ら口にしたではないか……!
『尚更いじめたくなっちまう性分でねェ……!』
そう、こい